2016年7月28日木曜日

肉体労働をした後に身体が疲れたと感じるのは自律神経が運動によって疲弊する事で脳が勘違いし、それ以上、身体を動かさないようにしている

自律神経を整えて夏バテ回避 疲労知らずの身体を作る生活術(1)

2016年07月16日 10時00分



人は活動すれば、疲れを感じるのは誰でも一緒だ。疲れを溜め込むことなく、すぐに回復することができれば病気にもなりにくい。しかし、それが上手くできないために、病へと発展させることがある。

「肉体労働や運動をした後は“身体が疲れた”と感じますが、これは錯覚です。ゴルフ程度では筋肉に大きな負担はかかりません。疲れたと感じるのは、脈拍や呼吸、体温を司る自律神経が運動によって疲弊することで脳が勘違いし、それ以上、身体を動かさないように仕向けているのです」

こう説明するのは、東京都健康長寿医療センター顧問・脇山博之医師だ。つまり、自律神経を整えれば疲労は回復するという。同医師は慢性疲労専門医で幅広く疲労や睡眠療法を研究する“疲労のスペシャリスト”と呼ばれている。

「疲労の仕組みについては、まだ知らない人が多い。10数年前までは科学的・医学的な取り組みが全く行われていなかったため、“なぜ疲労するのか”をきちんと説明できない医者も多かったんです」(同)

そのため、疲労時には栄養ドリンクや焼き肉、うなぎといった精の付くものを摂るという“迷信”が独り歩きし、それがいまだに蔓延しているというのだ。

都内で総合医療クリニックを営む医学博士・久富茂樹院長も、こう説明する。

「戦前の食料不足の頃はエネルギー不足による疲れが深刻でしたが、今どき、そうした疲労自体、まず起きません。かえって脂質の多い食べ物を一気に食べれば、胃に負担がかかり、疲労回復にはならない。間違った解釈がされているのです」

では、疲労回復には何をしたらいいのか。ひと言で“疲れ”と言っても、いくつかの種類があり、タイプが違えば当然、解消法も変わってくるのだ。ある専門家によれば、そのことが免疫学の立場から見るとよく分かるという。

医療分野においては、もともと人間に備わっている免疫力によって病気を癒すことが疲労回復となる。つまり、ウイルスや細菌など、さまざまな外敵から身体を守る防衛システムの強化が必要だ。

「白血球の働きによる身体を病気から守る自然治癒力が病気を防ぐ。また、自律神経は白血球を調節するという“白血球の自律神経支配”の法則により、疲れのタイプや解消法が具体的に分かるのです」(専門医)

自律神経といえば、交感神経と副交感神経を併せ持ち、人間の休息と活動に並行して身体の各組織を無意識のうちに調整している。

交感神経は、人が活動する時や運動をしている時に活性化し、“元気”や“やる気”の状態を作り出す神経。具体的には、心臓に働きかけて拍動を速くし、血管を収縮させては血管を作り上げ、呼吸も速く、浅くする。そうすることで心身ともに興奮状態を作り、活発に活動しやすくする。

「ただし、活動時は身体に傷を作りやすいため、傷から侵入する細菌などの外敵から身を守る必要もある。そのため白血球は、細菌を攻撃する役割の顆粒球が増えるのです」(健康ライター)

参照元 : 週刊実話


自律神経を整えて夏バテ回避 疲労知らずの身体を作る生活術(2)

2016年07月17日 10時00分



一方、副交感神経は交感神経の逆で、主に夕方から夜にかけて働く。休む時や食事をした時に活性化し、“ゆったり”“リラックス”の状態を作り出す神経で、疲労感を取り除く。具体的に言えば、心臓の拍動を遅くし、血管を拡張させ、呼吸を深くゆっくり安定させる。また、食後に胃の働きを活発化させ、消化を助ける役割もする。

「この休息時、体内では白血球の一種であるリンパ球が、がんなどの異常細胞を攻撃して身体を防衛し、メンテナンスを行います。人間の身体は、このように自律神経が体内の細胞を極めて合理的に調整し、活動と休息に適した体調を作り上げているのです」(同)

つまり、自律神経の修復が疲労回復の鍵となるわけだが、そのためにはどのような食生活を送ればいいのか。

日本成人病予防協会の健康管理士はこう言う。

「疲労回復に一番なのは鶏のムネ肉です。疲弊した自律神経を修復する『イミダペプチド』という物質が豊富に含まれているからです。渡り鳥が長い距離を飛び続けられるのも、イミダペプチドのお陰です。1日100グラムぐらいの摂取が目安となります」

また、交感神経と副交感神経をそれぞれ刺激するものがある。交感神経を刺激する代表は塩だ。摂ると血圧も上がるが、体に活力をもたらす。副交感神経が優位になりがちな人などは必要となる。

「一方の副交感神経を刺激し免疫力を高めるのは、ミネラルを豊富に含んだカルシウムやカリウムなどです。腸の煽動運動や腸内環境をよくする微生物を含む発酵食品や、苦味や酸味がある食品にも含まれる。疲れやすい人は、努めてこれらを摂る必要があります」(同)

加えて、食事以外で疲労回復に効果的なのが入浴だという。

「ただし、熱い湯は逆効果。脳に快感物質が分泌され、疲れが薄れてきたように感じるだけだからです。せいぜい40℃の湯に8分程度半身浴すれば、血行がよくなり疲れが取れます」(専門医)

最後に重要なのが、睡眠だ。睡眠の重要さについては言い尽くされた感もあるが、現代人は睡眠不足の恐ろしさについての認識がまだまだ甘いという。

「夜更かしや睡眠不足の生活スタイルは、はっきりと寿命に反映されます。夜は副交感神経が優位になり、血流を回復させて体の老廃物を流し、リンパ球が異常になった細胞の掃除をしてくれる。1日の疲れを取り去る大事な時間なのです。できれば6~7時間は確保すること。これをおろそかにすると、交感神経の緊張が続き、脈は速まり、血圧も上昇し、血糖値も高くなる。行き着く先は高血圧症、糖尿病、狭心症、心筋梗塞、脳卒中、がんなど、重大病につながってしまうのです」(同)

「ヤル気まんまん」で疲れ知らずの人ほど、過労死の確率が高いと言われるのはそのためだ。そうならないためにも、日頃から自分の“疲労”を客観的に捉えておくことが大切だ。

参照元 : 週刊実話

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